高田馬場のアパートの一室のような一人書店「山本書店」店主。偽名で出版するもベストセラーになった本です。日本人の特徴をユダヤ人の習慣や行動様式と比較して述べる内容。日本人とは何か、気になっている中で、泉谷閑示さんの関連書籍の中で知りました。
印象点
- 日本人の時間に追われる生活様式が、
- 昔は農民であったこと(四季それぞれでやり終えなくてはならないタスクに追われていたこと)に由来するという仮説。
- 日本では[人間][人間らしさ]が律令を超えたところに見えない形で希求されるという話。
- ユダヤでは全員一致の議決は無効。対して日本では全会一致の議決はほぼ完全無欠に正しいと考えられること。
日本が全て、な自分には学び大
ユダヤ史、キリスト史、パレスチナ中東史の超マニア向けな内容は読み飛ばしても、下記の点で、日本人を学ぶに必読の一冊でした。
- 極端な考え方の違い、習慣のちがいを経験していないということを知ることができる点。
- それによる学びが、世界の人たちに比べて全然足りないのだろうと感じられる点。
ただ自分は「人間らしさ」が不文律的に最上位に来る行動様式は、むしろ誇るべき側面もあるのではないかなと感じますけどね。
人を思い、理屈や論理を超えたところに人の領域があるということは、人が機械でなく、人が理屈や論理性だけでできていない証拠かと思うから。
法律はいくらでも抜け穴があるが人間関係には抜け穴はないと岡潔さんも書いていたように思います。これはどこの国も真似できない日本的な強みではないかと考えました。
一方で、反省するのはの全員一致(に表面上見える)が確固たる”正”となったりそれに基づく行動が”普通”とされてしまうことが多い点でしょう。
そこへの批判的な視点と自己表出が不足しているなあ。自分はこう思うということをもっと出せるようになれると良いなぁ。そんな気がします。
これは大人になってから初めて学ぶことではないように思うけれども学ばないよりはいいかな。