【 システム障害 を知る】『みずほ銀行システム統合苦闘の19年史』を読みました

ITのサグラダファミリア

みずほ銀行の システム障害 、旧第一勧銀、富士銀、興銀のシステム統合を追った内容で、時系列およびシステム構成的な内容と全体的な教訓が記載されていました。

参考になった点

総額4000億、35万人日、1000社での構築

もはやソフトウェアの領域を超えていますね。スカイツリーが4本立つ規模の工程動員にピラミッドへの人員動員を感じました。

経営陣におけるCIOの不在

IT投資拡大を標榜しつつ舵取り役にIT人材がいなかったのですね。。

現場任せの進行、抜き打ちでの経営レベルの参画の必要性

経営が一体となって自分ごととして自分の目と手足で状況を確認する意義を考えさせられました。

既存システムからの乗り換えJV

そしてシステムでのJVがあることを初めて知りました..なぜなら、当然リプレイスといえば既存を廃して他社製品への乗り換えとなることがほとんどだと思っていましたので。。その点、社会インフラレベルの話となるとベンダJVが当たり前なのですね。

例えば自分にも置き換えて考えた時、超巨大なお客様のグループで、例えば競合と連携して総合システムJVプロジェクトに参画するというイメージが今のところわかなかったですが、、そうしたことがあった時に膝づめで各社と対応できるかというと、新鮮な感じがしました。

誰が自分ごととして考えていたか

経営陣に対して「誰かがやるだろう、自分の任期中には終わらない話」という無責任の感覚を感じました。自身のかえりみから、トップクラスの方が実地で稼働まで対応いただけたお客様にはそうしたことはなかった一方、逆のケースでは全くのトラブル案件になったことを思い出しました。その観点では請け負う側からも、トップの積極的な関わりを一定程度ユーザに求めてゆく姿勢は必要なのだろうと思いますがどうでしょうか。。

「統合」の嘘

超巨大企業、それぞれの関連会社も含めると何数社?の統合にも及ぶと捉えました。「統合」という言葉はあるが現実的にそれはできることなのかなと。

表面的な組織名の改定だけに終わって、内実は、旧組織の派閥争いはなくならないのだと分かりました。

自分の経験でも(蛇足ですけど)勤めていた会社が買収されたけれども、まず新しい会社の理念や文化や人材交流や価値共有など不可能なほど、組織間で対立があったことを思い出します。

その意味で、「統合」とは名ばかり、呼称を変えればそうなったように見える”パッケージの嘘”であり、現実的には不可能だと思った方が良いと思います。

統合、合併、集中と選択、、言葉は格好良いですがそれを達成するのはどれだけ自分ごととして足を踏み込んで行けるかだと考えました。

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