アレンジ ってなんでしょうか。
古き良きゲーム音楽の アレンジ バージョン なるものをyoutubeで沢山拝見しました。どれも素晴らしい出来で本物と見間違う、それをさらに現代的に味付けしたものになっていて良いなぁと感じます。
一方で、アレンジってなんだろう?という疑問が湧きます。それは原曲をあくまでも素材として、真似ることではなく、つまりMIDIの打ち直し、出先の音源風味でアレンジ感、ではなくて、原曲をどう変えて行けるかということではないのでしょうか。
MIDI打ち直し系の[アレンジバージョン]
だから、MIDI打ち直し系の[アレンジバージョン]を聴けば聴くほど、それはアレンジではなくて真似なのだと、なぞりなのだとも感じるわけです。
それが悪いわけではない。自分もなぞりから音楽をしているしその大事さは知っている。真似ることから得るものは非常に大きいのです。むしろ健全だとおもいます。
「 アレンジ 」=原曲をまず壊す
ただ、考え方、視点として「 アレンジ 」の概念は素材を変化させること、新しい魅力をそこから引き出すということを知ることも大切だと思います。
だから、アレンジバージョンを出すのなら、原曲をまず壊す。そこから始めるとその曲の持つ魅力が、誤解を恐れずいえば、アレンジャーの肉声、体温と近しくなって唯一無二の存在になります。もちろんその素材をどう持って行けるかは、日頃の音楽生活、どれくらい幅広い音楽性に触れているか、自分の内面に獲得しているか、引き出しを持っているかにかかっているわけです。
じぶんの音楽ライフはその引き出しの多様性にあるのではないのか。真似も素晴らしい、駆け出しではまずお勧めするが、一旦そこをやったら、自分をそこに投入してみよう。今まで聞いてきた音楽が、知らず知らずに染み出してくるはずだから。それを知ったときにね、素材と自分が一体化する喜びを感じるはずなんだ。
アレンジ は自分の音楽世界を表現すること
アレンジ は自分の音楽世界を表現することなのであるよ。正直にいうとその観点からは巷のアレンジバージョンの跋扈が寂しく、さもしくなる。今でこそそこから新しい魅力を引き出して、面白み、深みをもたらしたいと願うばかりです。