花房先生の『田舎はいやらしい』を読みました。
過疎地域の実態を文化人類学的なフィールドワークから解説した本でした。
ゆくゆく都心から離れて暮らしたい気持ちもあり、
地方創生での「田舎」=「いい印象」が目立つ中で、地方のネガティヴな実態を知りたく思いました。
読んでみて、都市の暮らし方を過疎地域に求める事自体が本当に良いことかどうか考えさせられました。
大きくみれば西側的な考え方が、必ずしもどの国にも当て嵌まらないように。
保守的、閉鎖、ムラ、合理性より感情
よく言われることですが、がなぜそうなのかが理解できます。
それはその生活圏を維持するための昔からの知恵だったようですね。
企業がほぼブラック
普段自分のしている仕事からすると信じられないようなエピソードが多数。
現場からの解説のためリアルでした、、とても生きて行ける環境ではないと正直感じました。
年収の差
実態を知ると、今の生活の質が当たり前のことでなくありがたいことだと知ります。
人は何かと「不足」に目がいきがちだが、芝が青く見えるように、田舎暮らしも同じなのでしょう。
また、規範性が優先されるという点
(社会とはこういうもの、大人とはこういうもの、といった正義の振りかざし)は
別に田舎でなくても都内だってあらゆる集団の中にあると感じた点です。
本書の指摘が必ずしも過疎地域だけでなく、都市部だったり仕事も問わずあるなぁと思いました。
それは日本人の細胞の中に、ムラで生きてきたことの名残があるからではないか、と想像しました。