【多様性を考える】『チームの事だけ考えた』/青野 慶久

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サイボウズに見る、職場環境を多面的に考える絶好の本のひとつ。動機づけ、組織、給与、評価(弱い)、勤務条件などダイナミックな事例が学べます。

事実と解釈

特に、建設的な議論のベースとしての事実と解釈の論旨が響きまくりました。あくまでも事実をベースに話を進めることでMTGはもっと建設的になるようです。
建設的とは、現状を把握し原因を研究し課題を設定しタスクに落とし込むような具体性だと理解しました。その点で、例えば自社でも利益、という概念が時々語れるけれども果たしてどれほど実績的な利益計算があっての話なのか、ということを強く(飛行機の中で)考えた次第です。

「赤なんだから」は事実か

「赤なんだから」と云われ続けていたがそれは解釈だったのではないか。誰が見ても「赤」だと視認できる事実が第一義という点が問われていなかったのではないかと思います。その時は見積もりが甘いと云われていたしそれも事実だったですが。ただ、今でも実績的な振り返りがないまま利益の話がしばしば語られる時があります。どうもそこに引っかかりを持っていたが、此の章で理由が分かりました。[事実]がない上で話していたからです。今後はここを明確化する施策によって(予定工数と日報からの実績集約レベルでも)で把握できてくると思います。

多様性との向き合いかたの好例

28%(一年で4人に一人は辞める)から5%まで離職率を抑えることに成功した施策が網羅されています。このうち幾つかは自分の会社でも実施されていましたが、社員とのエンゲジメントの強さをもっとも大きくもたらしているのが多様性の受容という部分かと思います。多様性はサイボウズのコア理念となっているようでそこへのチャレンジは知る価値があります。育休6年なんて普通では考えられないですね。その[普通]が壊れてゆくのが多様性の世界というふうに思います。

自立という概念

説明責任という言葉は一般的だけれど同時に[質問責任]が求められるようです。これは質問や意見を居酒屋で云わずにしっかりと社内で質問する責任ということです。これが社員全員に認められる点は非常にオープンだと感じたし多様性の発露にも繋がるのだろうと思います。意見を云うことを阻害しない、受け入れる、そんな環境が多様性許容の高い職場の一要因だと思えました。
360評価が失敗に終わったという紹介文に引かれて買いましたが、その点は記載があまりなく残念でしたが。此の点は『Amazonのスゴいルール』に記載がありそうなので引き続き学びを深めたいと思います。問題意識は、実際に接点のない人間が事実をもとに評価できるのかという点なのです。
いずれにせよ、これからの職場を考えるには参考になる一冊。もちろんこれが正解でないにしろ多様性の一つとして学びがあると思います。

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