発酵デザイナー
あるきかっけで発酵関連に詳しくなり”発酵デザイナー”として活躍しているらしいデザイナーさんの本です。
微生物の不思議を、ヒトの社会との共通点を通じてわかりやすく解き明かす内容で、ノリはブログ感覚だが中身は真面目で教養豊か。ワイン、日本酒、発酵おつまみ好きの方は必読かもしれません。
引越しを機にどこからか出てきました。うちにはどこかにたくさん本があるらしいです。
オススメしたい方
・人間関係やビジネスはあくまでギブアンドテイク(等価交換)で良いと考えている方。
・ワイン、日本酒、発酵おつまみ好きの方。特に和製ワインがなぜイマイチなのか疑問に感じている方
興味のあった点
・ある島の部族間で行われる[交換]の慣習から、社会は等価交換ではなく、気前のいい贈与、言ってみればギブギブギブ(もうだめの意味ではなく見返りを求めず与え、与える)不等価交換によることで良くなるとする説。
・甲州ワインはなぜ欧米豪のワインの味と異なるのか、またそれを良しとして(良しとしているから売っているのだろう)いるのか。これを読むと違った観点から甲州ワインを捉えられて、まずは勝沼や御坂に出かけたくなります。
・エネルギーは生物間で受け渡され地球規模で循環しているとする点。自分もラブロックの本を読んでから、地球が一つの生命体であり自分たちの行動(呼吸や排出など何もかもが)地球の一部だと考えているため共感度が高かったです。
全体的に
①微生物の動き
②それを文化人類学的な話に敷衍
③面白い発酵食品(飲料)エピソード
の三つの要素で構成、
[発酵]を軸に社会学から身近な嗜好品まで関連性豊かに記載されたユニークな本でした。ワインや日本酒も大好きな自分にはその作られる過程での微生物の働きを学べたり甲州ワインの新しい観点も持てて良かったです。
一番は、相手よりも気前よくギブすることにより社会や組織は平和的に発展するとする考え(これが発酵とどう関わるかは本書を参照頂きたく)これまで、差し引きで考えがちだった対人関係や仕事への観点が大きく変わりました。自分ができること見返り求めず出し切れるか。きづけば周りにもそうした人いるなと思った。試せる時には試してみたいです。難しいかもしれませんが…。
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