津田沼の少し北に、薬園台という場所があります。ここは僕のおばあちゃんおじいちゃんが住んでいた場所でした。今はもう亡くなってしまったけれども忘れることのない思い出がたくさん詰まった場所です。
大抵遊びに行くのはお盆とお正月でしたから、年に二回くらい。おばあちゃんおじいちゃんといとこが集まってとても楽しい時間だったなぁと。その時は気づかないものですが、今となって振り返ると懐かしさとありがたみがたくさんあった時間でした。二度とない時期に、そうした時間を残してもらえた事に本当に感謝しています。
昨晩親しい友人と結婚祝いのお返しで食事としていて、式の映像や写真を見返していたからか、今朝起きると、ふと懐かしい思いが溢れました。
懐かしかった。変わっていなかった。その場所は僕のたくさんの思い出がつまっている時は、流れて、また新しい家族や、野球少年たちが遊んでいました。
僕の小さかった頃、遊んでいる僕たちをおばあちゃんはどんな目で見つめていたんだろうと思いました。きっと笑っていたかな。おばあちゃんのシワはいつも笑っていたから。
最後の角をまがると、家の前には車が止めてあって、もういとこが先に来ていて楽しみになったことも思い出します。
ひょいとおばあちゃんが道ばたに出てくるようだった。いまでも。ついこないだまでそこにいたおばあちゃんでした。
黒い蝶がずっと僕の周りを舞ってたのはおばあちゃん?
もうそこには誰もいません。みんなそれぞれの場所に。そしてそこに帰ってくることも、たぶん、二度とないのでしょう。
家はあの日の記憶を包んだまま、そこにただひっそりと残っていました。
いとこや家族の声、ご飯の匂いがあったいつも開け放たれていた窓は、雨戸を閉じられて、その時の記憶に封をされたよう。
家の外までひびいてきた笑い声や、カレーの匂いも今はもう、記憶の中だけに残された声、匂い。
あの時に戻りたい。あの時の空気、時間、音、温度、匂い。
僕の小さかった頃に、大切な思い出をくれたその場所に感謝したい気持ちが溢れます。小さかった僕を、楽しく、暖かい記憶で包み込んでくれていたおばあちゃんの家。
本当にありがとう。ずっと忘れず、遊びに行くから、そこに残っていてくださいね。