【『失敗の本質』を読む】仕事に生かせる失敗する組織論

失敗の本質/太平洋戦争/陸海軍/ミッドウェー/ガダルカナル/インパール/沖縄戦/東條英機/山本五十六

ミッドウェー・ガダルカナルからの敗戦の記録から、旧帝国軍部にみる、目的の不徹底、組織内融和優先、進化の不在の軸を中心に、失敗する組織像を学ぶ一冊です。投稿済み同タイトル[戦場のリーダーシップ編]とは関連する別書。基礎知識がないと眠くなるが、逆にそれがあると猛烈に引き込まれます。

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進化の停止が引き起こすもの

組織というものが、つい成功時のあり方を引きずってしまう傾向を学びました。日露戦争/日本海海戦の成功を引きずり、時代の変化に適用しようとせず、過去の成功法則を固持し続けることによる進化の停止が招いた諸処の失敗事例。この点で、自社のサービスは進化しているかどうかを考えた次第です。三年前、一年前に比較して、事実として何が、どう進化したかなと。この先はどうか。それは常時取り組むべきテーマなのに取り組めていないなぁと思いました。現場で得た要望や他社の当たり前、業界情報などのをフィード、蓄積をしてゆかなければ。

精神論、意識論の限界

美辞麗句で飾られる精神主義や意識の喚起も、威勢はいいものの、それだけでは実質を伴わないものです。具体的に何をどうするかのアウトプット、プロト出力の積み重ねではないかと感じます。やる前から頭の中であれこれ考えてしまうのが人間なのは承知のうえですが、それでも立派なものでなくて良いのだから(自分の出力が、結局のところいつもそこまで立派だろうか?)試してみる動き、「done」させる仕組みこそ必要だと思います。それを無駄とは一概には云えない作業でしょう。

目的の統一と部門上層での統合

何かあるたびに「目的は何か」といつも聞いてくる人がいましたが、鬱陶しさはあったものの、今では、そこはまず押さえておくべき共有ポイントだと確信しました。そして、それが組織として共有できているかという問い。日々の業務の中でつい部門間コンフリクトに陥ってしまうこともある中で、自社サービスを世に送り出す目的の共有。このチームがどういう目的で何に貢献するのか、時々そこに立ち戻る場があっても良いかと思います。

この本は歴史から日本型組織の失敗を分析した書籍として名著とされていますが、基本的な歴史知識を得てからでないとやや難しいですね。その反面、それを知ってゆくことで内容にグッっと興味を惹かれます。

一年前には正直3ページで眠くなったが、一年くらい勉強して改めて読んでみたら本当に面白かったです。面白さを得るには基礎知識の獲得が必要な好例という感じ。その意味で、仕事に面白みを持たせるにも関連知識の獲得という面にヒントがある気がします。

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